文学フリマ初出展は楽しかったよ

こういうイベントに参加するのは初めてで
実は文学フリマって今までお客で参加したことすらないのに
いきなり親子出展してしまいました楽しうございました。


私の16ページの版画美術館漫画の小冊子「うさはんび」は
コンビニのコピー機を使って、開催日(5月6日)の3日前に完成した。
ひとりで考えて描いてみたんだけれど
実は漫画の枠線を引くところだけは夫にやってもらった。


そして、娘のドストエフスキー漫画は
やはり親の期待を裏切らない超亀ペースで
5月3日の夜になってからやっとペン入れを始めていた。
もう残り時間逆算してみたら途方に暮れる進行状況。
そこで娘が考えたのは「文字は全部お母さんが書いて」
スクリーントーンはお父さんが貼って」という大胆な要求。
なんで間際になってから人にそういうこと頼むかと説教したいが
その時間的余裕すらないではないか。
夫は黙々と自分の机の奥から、昭和時代からの使い残しと思われる
古いスクリーントーンを出してきてサクサクと作業。
一家に一人、元漫画家がいるのって超便利!
夫そんな作業はもう何年もしていなかったのに、さすがだぜ。
娘はペン入れしながら、まだ少し内容修正とかしつこくやっていて
私が文字書き入れ、夫はトーンと、深夜までとんだ家内工業



更に、創作シナリオを出すという息子がひどい。
「もうずっと前に書き上がっている」と言ったままプリントのための
編集作業をしている姿もなく呑気にゲームなどして、
5日の夜になってやっと表紙作成とプリントアウトを始めて
その段階で「あー、37ページもある。製本どうしようかな」とか言う。
あんたなんでそういうこともっと早くからやって考えておかないわけ
とか、お母さんもう血圧が上がりそうで疲弊した。
その後、息子は6日未明になってコピー終了してレポートのように綴じて
3部だけ作った。会場には息子自身は行かないので私が預かるが
息子は美しく製本するとかいうことよりも、私に内容を読まれたくないという
警戒感の方が強いらしい。もう本当にあんたは何のために今回作品出すんだい
お母さん別にあんたに全然強制とかする気ないんですけど
なんかあなたとしては、やらされている感とか持ってない、それってどうよとか
高3男子の母は、もやもやすること多かりし。


そして娘はドストエフスキー漫画の表紙作成作業を6日未明から開始。
その頃なんとか、私と夫による補助的作業は完了。
私は少し寝るが、娘はそのまま表紙のデザインをして早朝の電車で
キンコーズに寄って、コピー印刷とホチキス製本。
新宿の駅のそばのそれは、この連休中だって24時間営業。都会ってすげえ。

徹夜で描く→早朝のキンコーズにて冊子完成→そのまま会場に持ち込み

なんという綱渡りスケジュール。


そして5月6日文学フリマ当日

娘の「4コマ×ドストエフスキー」は25部作ったら
開始から2時間足らずで完売でした。
あとから来ていただいてがっかりのTwitterの方もいらして
申し訳ないやらありがたいやらびっくりやら。

私の「うさはんび」は9部売れました。
ありがとうございました。うれしいな。


息子の創作シナリオは無料配布でしたが、
手にとって見て下さる方はあったもののお取りになる方はなく
配布0冊ということになりました。
私がその37ページは、店番しながらじっくり読みましたが
思った以上に面白いナンセンスギャグだったんですけどね。
文字ばかりのそれなりの厚みのオリジナルの冊子というのは厳しいですね。
息子は本当に「僕は書く仕事がしたい」とか言うのであればまず
自らこの会場のこの椅子に5時間座り続けてこの現状を体感すべきだったぜ。


そして急遽これも出展した、私の実弟の撮り下ろし写真集。
2冊売れました。ありがとうございました。
モデルはうちの実母です。母は、75才になってから自分の写真集が作られ
知らないお客様にそれを買っていただけたとはびっくり。
しかし私が言うのもなんだがこれは良いおばあさん写真集だ。


それと、石は誰もいらないって。もっともでござる。


文学フリマは今回640ブースの出店があって
来場者が3800人とのことで
人がたくさんいるように感じていたけれどあれは
出展者とお客さんが同数くらいの割合で参加だったのかしら。

なんかゆるい雰囲気とかテンションやや低めな感じとか
マニアでも地味真面目でも馴染む
文学フリマって居心地の良いイベントで好きだな。


会場で私が買ったもの

歴史関係のブースがお隣で、お話しできたのも楽しかった。
古代エジプト文明オタクの主婦とゆっくりお話したのは人生初だ。
すごく労力をかけて調べて書いても、古代エジプト関連の売上は
なかなか厳しいとのこと。
あの長いオカッパのような髪はカツラだということ
野生種のトウモロコシの毛で作ったカツラのことなど楽しくきいた。


しかし自分が買った本より先に、娘が買った「不機嫌眼鏡」を
がっつり熟読してしまった。id:kobeniさんて、子を育てつつ勤労すること
についてしっかりと的確な意見を読みやすく書く方だと思っていたら
こんなうきうき楽しいものも読めて超うれしい。

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