ゆきゆきて、神軍

奥崎謙三氏死去とのこと。
彼についてのドキュメント映画「ゆきゆきて、神軍」。
20年くらい前に都内の映画館で見た。

その頃仲が良かった同級生のKちゃんには兄がいて、
Kちゃんの家に電話したときには、時々そのお兄ちゃんが取り次いでくれて、
なんだかひょんな話の流れで、私とお兄ちゃんとで
日曜日にデートをすることになった。
千葉県民で、東京ディズニーランドがわりと近くて
Kちゃんの兄はそこでのバイトの経験があり、それを活かして
楽しいディズニーランド案内をして下さるという。
私がまだあまり行った事がないということから、そうなったのか。


しかし、そのすぐ後で私は気づいた。
ゆきゆきて、神軍」の上映期間がもうすぐ終了してしまうことを。
あまり行った事が無い都会地、渋谷での単館上映。
Kちゃんの兄に恐縮しつつ相談したら、じゃ一緒にその映画を見に行こう
という展開になった。
ゆきゆきて、神軍 [DVD]

映画は凄まじいドキュメントだった。
第二次大戦中の南方戦地での日本軍の秘密、人肉食。
終戦後の年月を経て平和な日常をすごす元上官を奥崎謙三が訪れ、
かつて上官達がその肉を食べるために、戦友を陥れ処刑したこと、
その責任を糾弾。法的にも人道的にも不適切な方法で。


いやあ、すごかったねえ。と振り返ると
Kちゃんの兄に笑顔はなくなっていた。
そして二度とデートに誘ってくれることはなかった。