ドッグレッグス!!!

障害者プロレスドッグレッグスの試合「障害力」を見に行った。
前回初めて見に行って、そして北島代表の本を読んで
もう是非また行こうと思っていたのよ。
昨夜の会場は新宿FACE
歌舞伎町の雑居ビルの7階の広いライブハウスみたいなところ。
会場には立派なリング。ドリンク付きで、客はビールとか片手に
リングを囲む椅子席に着く。このちょっとゆるい猥雑な感じが良いな。


半年前に見たときと比べて、チームだめ人間が強くなっていた。
ひきこもりとロリコンの2人組が、聴覚障害のさわやかイケメン2人組みに
勝ってしまった。しかしあれだ、イケメンさわやか青年というのは
顔面打たれて鼻血出してても、その後鼻の穴から詰めた綿が大きく出ていても
やっぱり、きゃあ素敵似合ってるぅぅかっこいいぃ、ってなるんだよ。

鬱病の癌患者VS盲人
鬱のため外出できず1ヶ月ぶりに外に出たのがこの試合という。
思い入れのこもったメッセージを書いた幕を持って登場。
しかし熊のような柔道系盲目レスラーはそれにあっさり勝つ。
この迷いの無い勝ちっぷりが素晴らしい。リングロープに手探りで上がっての
勝ち名乗りに歓声。


重度の脳性まひ3人の試合「妖怪・女装者・宇宙人 誰が一番強いのか
誰が一番変態か」って、みんな同じ・見た目はちょっと変わっていても
キレイな心、みたいな行儀の良い福祉の発想とは対極にある。
でも、優しく親切にされてありがとうって言っているときよりも
自分のヘビメタメイクなり女装なりの困った趣味のまま、
てめえらかかってこいガアァって
よだれたらしながら叫んでるほうがカッコイイよ。
重度障害者女装アル中おやじ・愛人(ラマン)はそれさえ超えて
リングでグラビア撮影会状態になっちゃってるが。


難病も知恵遅れも身体障害も健常者も変態も
それぞれに全力でリングに上がる。ぶつかり合う。
「やさしさありがとう」の方が社会的にも便利だろうけれど、
障害者であることの厳しさと、健常者であることのしんどさと
本気で格闘する。


この日の最後の試合は公開入団テストだった。
聴覚障害の若者VS北島代表。
とにかく北島が圧倒的に強いというか挑戦者が弱いというか。
審査員になっていた客は迷っていたようだが結局合格の判定。
「合格って気分じゃないだろ。客に同情されるレスラーにはなるな。
 まずはダメ人間チームからスタートだ」と厳しく言う北島かっこいい。
若者のこの日の悲惨な負けっぷりを見たお客さんたちに、
まさかこんなに強くなっているなんてすごいって来年の試合で言われるといいね。