美内すずえガウディ説

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

私くらいの年齢の日本人女子なら、かなりの率で「ガラスの仮面」は
読んでいるはずだ。
その中にはかなりの確率で「でも、最後に読んだのは20年前くらいね。
まだ続いていたの?紅天女はマヤに決まったの?」とか言う人も含まれるはず。


そしてこのたび、3年数ヶ月ぶりに出た新刊。
すごい。なんと、前巻からほとんど話がすすんでいない。
更に言うなら、この20年間ほどかけても
紅天女をやるのはマヤなのか姫川様なのか」というところでの話が
まだまだ決まらない。


これはね、私が思うに美内すずえ先生は、日本少女漫画界のガウディを
めざしているのではないかしら。
建築家ガウディが死してもなお更に200年の年月をかけて
建築工事が、ずうぅっと続いていくサグラダファミリアのように。
ガラスの仮面」はもしも作者が亡くなってしまったとしても
その遺志を引き継ぐ者達により
紅天女はどちらに?真澄様の気持ちは?」という状況を
あと200年間くらい、
数年おきに新刊を出しながら続けていくんじゃないでしょうか。
そしてそれに付き合い続けるのが、漫画読み日本人の伝統になると思う。