パンク侍

嘔吐風邪は私は感染らなかったらしい。
年末くらいもうちょっとなんとか家の中をどうにか、
と考えはするが、年末年始休みの初日。なんか疲れちゃっていてね、
家事もせずに本読んで昼寝。ダメ主婦。

パンク侍、斬られて候

パンク侍、斬られて候

これ読みそびれていたんだ。今初めて読んだ。
面白おかしく、時代劇なんだけどセリフが町田康らしく軽妙。
ずるい官僚、剣豪、シャブ漬けの凶悪な8歳児、頭脳明晰で威厳あるしゃべる猿、
顔面が落書き刺青の教団幹部、生首スープ、生首で炊いたご飯、
大勢の普通の人々が簡単に腹ふり党に入って腹を振り踊って無法をする。


これでもかという程、マチダさん濃いキャラクターを次々打ち出してくる。
それでエンターテイメントとして面白く読んだ。
全部読み終えると、結構むなしい。アホらしい世界のアホらしい終わり。
私の実際の今日の現状と合わせて考えると更に・・・。

ストーリーの組み立て方が、映画の「真夜中の弥次さん喜多さん」とちょっと近い。
行き場のない日常 → 小ネタいろいろ珍道中 → 死と壮大な生死の世界 →
→ てんやわんやでバタバタ活躍 → 問題の発端である、世界から見たら小さい
ことだが当事者には大きい忘れられない致命的な失敗に立ち返る。



ただ、軽妙の後には告白での熊太郎の最後の「あかんかった」が
空耳で聴こえてくるようなラスト。それが読後のむなしい感じの理由でもあり、
「告白」に至る前に必要な作品だったのだろうと思う。