だらだら読書

読みかけだった本2冊を、寝転んだまま読み終わる。

妊娠小説 (ちくま文庫)

妊娠小説 (ちくま文庫)

斉藤美奈子さんのデビュー作だったのか。
森鴎外島崎藤村三島由紀夫石原慎太郎大江健三郎村上春樹
その他、やや古い小説からわりと新しい作家の作品まで「妊娠」を軸に読む。
この「妊娠」って、婚外の望まれない妊娠限定。
こんな文学評論?って他にあるんだろうかと思う怪作の力作。
物語の妊娠濃度による「スパイス級」やら「ステーキ級」やらのランク付け。
名誉も地位もある男が、何も持たない年下の女を妊娠させ捨てて安泰を得る型、とか
ボクが彼女に妊娠を告知され呆然とし疲れる型、とか
中絶については恐ろしげな産婦人科医や冷たい器具が微細に描写されるが
避妊については書かれないとか、大変元気良く分析。
ただこの本に出てくる小説って、私が実際に読んでいないものが多くて、
もっと自分が詳しかったら、もっと笑えたんだろうと思う
この著者は以前に読んだ紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)
面白かったんだけど、私が知らないものが多くてごめん、と思った。

ブスの壁

ブスの壁

美容外科高須クリニックの、あの尋常でなさそうな院長の本。
サイバラさんの本に登場している度に、ブレーキが利かないすごさ面白さの人と
思っていたがまあ、面白い人が書いた文が、あまり面白くないことって
結構あるよね。その人の面白さが表しきれない。
「1人花岡青洲」とか言って、自分で自ら新しい若返りの手術を
いろいろ受けて若い顔に変身し続けるのが凄い。
でも私が、他人の顔のシワが増えたとか消えたとか、あまり興味ないのね。