「毒草を食べてみた」

毒草を食べてみた (文春新書)

毒草を食べてみた (文春新書)

面白い。題名はちょっとアレだな。
とてもたくさんの植物についての記事が次々紹介されているが、
著者がそんな毒草を次々食べているわけではない。一部は食べているが。
「毒にも薬にもならない」という以外の植物が本当に盛り沢山。
毒草っていうよりも、一般的には薬草って呼んでいる植物とか、
ケシ科や幻覚性ナス科とかの話もいろいろあるんだけれども、
意外なところではキョウチクトウとか面白いね。古代ギリシャ軍が
キョウチクトウを串にして肉を焼いて食べたために多くの兵士が死んだなんて、
私は知らなかったな。高速道路のグリーンベルトに植えてあるのがもしも焼けちゃったら
大惨事になるんだろうか。焼けないと思うが。
熱帯植物の神秘的な矢毒文化とか、古代ギリシャから中世まで官能と幻覚の不思議な力を
発揮したヒヨスとか、実際のマンドレークとか、日本で野草の間違った知識で起きた
毒草での事故の例とか、植物の力ってあなどれないな。
それとね、クリスマスローズが古代に性病の薬として使われた話の中で
軽く触れられているこの話って有名な話なの?私だけ初耳なの?

古代ギリシャでは、身分の貴賎に関わらず処女の娘は
人々が参拝に来る神殿の周りに腰をかけ、最初に声をかけられた
通りすがりの男と寝なければならないという風習があった。
相手がどれほど醜悪であっても、女のほうから断ることは許されず、
むしろ、男が醜ければ醜いほど徳が高くなるとされていた。

本当なのかそんな風習。って、この本の本筋以外の部分に驚愕。