核P−MODEL

私の人生には音楽氷河期が何度もある。ミリオンセラーの歌手の名前だって
全く知らないし、CD屋に何の用事もないし、家のCDラジカセが
満足に作動しなくなっていることさえ長期間気づかない、という氷河期。
この他に、テレビ氷河期とか、読書氷河期、更には友達付き合い氷河期、
その他思い出すのはもう止めようと思う各種氷河期がてんこ盛り。
まあそんなことは嘆くことでもなく、大人がその時々の自分の基準で普通に生活して
いくためには、当然多少の不自由さはあるという範囲の話。
順調に暮らしている幸せ中年さんが、何を細かいことで不満足語っているとは
ちゃんちゃら可笑しいですねすみませんねはいどうも。という感じ。


で2004年は本当に、平沢進師匠の古いポスターは毎日見える場所に貼ったままだが、
その存在さえ全く気にせず私は生活していた時期の中だった。
そして2005年の正月に、古い友人からの年賀状に
「ヒラサワのライブ行って来たよ」と書かれていて、めまい。
その友人にも平沢さんにも、
もう何年会っていないんだよお。と、後から調べたら
それがトーキョービストロンというライブで、平沢進ひとりだが核P-MODELという、
なんだろうねわからんけれど非常に楽しそうねそれは、でもライブこの形でもっと
やる予定なんかとりあえず無しって、何よ私は寝坊して遠足に行かれなかった子ども?

そんな経緯で今になってこのライブのDVDを買って、じっくり見たのです。
「LIVE VISTORON トーキョー・ビストロン2004・11・13」
公式HPからの通販か、メカノで買うかのどちらか。つまりそれ以外の店には無いらしい。

楽しいねえ。これは。こういう感じでまたやって欲しいねえ。
平沢師匠が黒い扇子使うのなんか、うほうほ喜んだよ私が。
まあね、「体制側の思想統制的なものに流されるのではなくて、個々人の理性を
もっと」というような内容の歌詞の曲にあわせ、客が一斉に手を振って揺れる光景も
妙なものなんだけれども。ライブは祭りだしさ。大好きこういうの。
インタラクティブライブとは対照的な特に前の列の客の盛り上がり方は、
あれは秋山さんの生霊が少し降りてるんだわ。自然現象なの。
 
このライブの内容はとても詳細にレポされている。
そのブログ主さんがその後に亡くなったのが残念だ。ご冥福を祈ります。
http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20041113#p2


ビストロン