犯罪不安社会

犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)

犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)

これは良い本を読んだ。子どもの学校のPTAとか町内会とかの関係でも、
地域パトロールとかの防犯活動にかかわる人たちの中では特に
この本は多く読まれると良いと思う。
統計資料をこうやって丁寧に読んで、現状をしっかり見て考えている姿勢の
著書は私は好きだ。
安全神話の崩壊」という報道と、現実の犯罪統計のギャップ。
日本の刑務所の受刑者達の現状が、凶悪な若者達ではなくて
老人や障害者などでリハビリ施設のように満員になっている様子。
「子どもを守れ」というかけ声での地域防犯活動の副作用。
等がしっかり書かれている。
この浜井浩一さんって私と同世代だ。刑務所等の現場での仕事と
犯罪学の研究をちゃんと連動させて、犯罪をめぐる感情的な談義に陥らず
しっかり考えて説明できて、こういう人はえらい。