カラニャーゾフ

娘(高2)はここ数ヶ月間「カラマーゾフの兄弟」をえらく気に入って
繰り返し読んでいる。以前に私の本棚から岩波文庫の旧訳を
持って行ったときには1巻の初めのほうのゾシマ長老との会談が
終わらないうちくらいに挫折したようだが、新訳はぐんぐん読んで
「お母さんも新訳を読みなさい。」「えーっまだ3巻かいっ」とか言って
なんだかんだで毎日のようにイワンとかアリョーシャとか言っている。
あのイワンの「大審問官」は私が以前に米川訳の岩波版で読んだときは
その部分を読み通しただけで1キロくらい痩せたんじゃないかと思う程の
緊張感と疲労感があったんだけれども、娘は「大審問官?ああ、読んだよぉ」
とかのんびり言う。亀山訳だと確かに活字も読みやすいせいもあるからか。
私も新訳でまた読んでみたところ、この年齢のおばちゃんの精神で読んでいる
からか、内容を知っているせいなのか、それとも訳が違うせいか、
読むのが難儀ではあるんだけれども、べつに痩せる感じは全然しない。
で、教会と国家のこととか、私はわからんよもうというところはあるにしても
やっぱり面白い。登場人物の一人一人が激しく面白い。
私はミーチャに金鉱の話をするときのホラコーワ夫人とか好き。

ところで娘は「猫まんがでカラマーゾフを描くのはどうだろう」と
言い始めて、なんか年末の忙しい時期にチラシの裏に落書きで、
ずるそうな顔でピカピカの靴を履いた「スメルニャーコフ」
眼鏡をかけた猫のイワン「ワーニャ」、元気そうな猫「ミーチャ」とか
描き並べている。
なるほどー。猫漫画がブームっぽいし、カラ兄ブームだし、って
そんなものがあってたまるかい。
私が「スルメの足を常にくわえて気取っているスルメジャーコフ」を
提案したのにそれは却下されてしまった。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)