澁澤&シモン


神奈川近代文学館では「澁澤龍彦回顧展・生誕80年・ここちよいサロン」
を開催している。
そして関連イベントもあり。情報を知ってすぐ文学館に電話してチケットを予約。
今日はその、四谷シモンさんが澁澤さんと人形とについて語る集い。
講演会の入り口でプリンツ21の最新刊の四谷シモン特集を買う。

prints (プリンツ) 21 2008年夏号 特集・四谷シモン [雑誌]

prints (プリンツ) 21 2008年夏号 特集・四谷シモン [雑誌]

すみません、人形作家シモンさんがかつて
こんな表紙のような美青年俳優でいらしたとは存知あげませんでした。
「澁澤さんが良いと言ったから良いんだ、と思ってやってきた」
というシモンさんの言葉が良いなーと思いました。
人形に芸術的意味を持たせなくてはと考えていた時期もあったが
ハンス・ベルメール球体関節人形に出会ってからは
人形は人形で良いと思えるようになったとシモンさんは言う。
それって私なんかの予想と全く逆だった。
私はなんとなく人形って奥様手芸みたいな先入観があって
どうもあまり近寄らないでいたんだけれども
最近、澁澤龍彦幻想美術館展で見た、あの横須賀美術館の展示を上から
見守っているかのような天使人形や、その後の六本木クロッシングでの
特に木枠を見せるシモン人形に、とてもグッと来るものがある。
彫刻作品よりもむしろ芸術的に心に届くと思ったんだけれども
シモンさんは「かわいらしいお人形さん」とか言う。
私には今はまだ理屈がわからないんだけれども
こんな素晴らしい作家のシモンさんがそう言うんなら、それで良いんだと思う。

講演後にサイン会有り。プリンツの「澁澤龍彦にささぐ」の天使の写真のところに
サインをしていただいてうれしい〜。握手もしてもらっちゃったよ。
横須賀美術館でこの天使が上から見ていてくれたのがとても良かったと思ったと
サインいただきながらお話したら、にっこり笑ってくれたのよ。うるうる。


澁澤龍彦回顧展のほうの展示は、予想以上の充実っぷり。
幻想美術館展で見た澁澤さん所蔵の、マルキ・ド・サドの直筆原稿や、
ハンス・ベルメールの版画などは今回もあり。
他に澁澤さんの関連の写真とか、原稿とか、たくさんいろいろ。
館内随分混雑していて、私は展示は今回はあまりじっくり見ずに帰った。
会期中にもう1回行こうと思う。


神奈川近代文学館は、港の見える丘公園の中を進んで行ったところにある。
息子(中2)と夫は講演は不参加だったが展示は少し見て、
私が講演を聞いている間は広場で大道芸見物などして待っていてくれて
その後は横浜中華街で一緒にちょっと良いお食事。