ラジオ局に行った

職場方面には超ローカルなFMラジオ局がある。
職場の先輩がその局の朝の地元情報番組に出た。
上司に言われて私もついていった。ただ横で見てただけ。
平日の朝の生放送。
3LDKくらいのマンションが事務所になっていて、
そこに透明ガラスで区切られた放送室がある。椅子がDJ席の他に3つあった。
私達が到着したときにはもう放送は始まっていて、ガラスの向こうで
DJのぽっちゃり体型のもさもさした感じのお兄さんがなめらかなトーク中。
他には挨拶してお茶をいれてくれた年配の女性と、パソコンをにらむ中年女性。
中年女性が真剣にメモをとりながら見ていたのは地元の道路の混雑状況の画面。
そして「次は交通情報です」というDJのお兄さんの声がした。
先ほどまでパソコン前にいた女性はサッとガラス戸の向こう側に行き
さっきのメモを見ながら、外見より20歳以上若いさわやかな声で
サラサラと美しくなめらかに交通情報や地元ニュースを語る。
そうか、ローカルラジオの交通情報ってこういう方法だったのか。


その女性は放送室と事務室のパソコンを行ったりきたり。
お兄さんが「おもしろ心理チェック」的な文庫本を手にしゃべると、
それに答えてのおしゃべりトークなどもしていた。
CDで音楽をかけているちょっとの間にお兄さんと先輩とで超短い打ち合わせ。
事前にメールで原稿はやりとりしているからそれでやるとのこと。
しかし、先輩が全く緊張しないのに驚いた。全然普通なんだよ。
超ローカルとはいえ初ラジオで生放送なのに、フツーにしゃべるんだよ。
私なんて、何もしゃべらないのに一緒に放送室に入って
咳が出そうになってこらえていたら涙が出て困ったのに。12分間コーナーでもう限界。


先輩が紹介されて話し始める直前にDJのお兄さんのかけたCD曲は
クラッシュのロンドンコーリングだった。
どういうことよ。
私が日々無駄話もせず慣れない仕事で長時間神経使って、
今日はまた地元の地味なミニお役立ち情報のお手伝いに
先輩にこんなにまで大人しくついて来ているという朝に。
ジョー・ストラマーなぜこんな状況で咆哮している?
あんた死んでないで答えなさいよキイイー、とつい一瞬考えてしまったのが
その無駄に咳をこらえなくてはいけない心の動揺を生んだのだった。
ロンドン・コーリング