姥捨て

息子(中3)の高校受験のために
志望校決めやその関係の面談をしている。
息子が受験を考えているうちのひとつは
少人数でかなりユニークで良い感じの内容だが
場所がずいぶん遠い。
私と息子とで休日にその高校に行った。
無事に用事を済ませて帰るときに
スクールバスはこの日は終了していて
路線バスを待って帰ろうとしたが
息子はそこから駅まで歩くという。
駅までは40分くらい歩けばつくと息子は言う。
そしてお母さんだけがバスに乗れば良いじゃん、と。


お母さんだって一緒に歩くよと言ったものの
息子は早足でどんどん行く。
途中何度か「お母さんだけバスで」とまた言われるが
なんだか意地のように私も歩く。



高校の近くは激しく自然が豊かだ。




息子との距離が遠くなる。息子、歩く速度に容赦無し。


トンネルの先にどんどん行かれるのって
取り残され感がかなりあるぞ。



息子ようやく振り返ったと思ったら
なんと走りはじめて、私の視界から消えた。


そんなにお母さんと離れたいのかい。
お母さんは延々と続く大規模霊園の脇の道で
行き交う人よりも墓石が圧倒的に多いこの場所で
すでに出発から90分くらい歩いていて
ちょっと膝がガクガクするんですけれど
これは、キミの将来の姥捨ての予行練習かね。
私はキミの学校やら学費の算段やらを頑張って
あげくにこの姥捨ての仕打ちをされてしまうのかい、
キイーイッと孤独に歩き続け
駅で何事も無かったように待っていた息子と再会した。