息子のおしゃれ服を買う

高校入学直前の息子。
服屋に行くのを何故そんなに拒むのか
キミは服屋が鬼門とか、行けない事情でもあるんですかと
問い質したいような、服を買いに行くことを避ける中学生だったが
このたび入学が決まった高校は制服がない。
毎日私服で学校に行くにあたって、中学校の制服とジャージ以外は
ほとんど服を持っていない現状を早急になんとかしなくてはいけない。
なんとしても息子に服を買い与えよう
しかも入学式にも着れるジャケット、その他普段も着やすいズボン、シャツ、上着
いわゆる、まとめ買いだ。
ユニクロのような店で、お母さんが
オシャレ9級くらいの息子とひとつひとつ相談しながら買い集めるの難しいぜ。
そこで決心した。
あまり高くなさそうでオシャレな男子服屋に行って店員さんに事情を話して
まとめて見繕ってもらえば良いんじゃないか。
「高校はジャージで行けばいいんじゃね?」とかまだ言ってる息子にやいやい言って
地元のおしゃれ男子服の店に初めて入った。
店の入り口に並んでいるTシャツが値段が高くなかったのが好印象だ。
若い男性販売員がさっそく接客。まとめ買いコーディネートについて
「ああ、自分、もうこの店は長くってー
 そういうコーディネートっていうかー意外とすごい好きっすよー」
「この色、自分、チョーおすすめっすねー」
「15歳っすかー、自分その頃はサッカーばかでー」
いちいち、そんな感じでしゃべり続けながら試着を繰り返しせっせと選んでくれた。
そのお兄ちゃん販売員は、キンキキッズのツヨシ君が奇抜な髪型のときとか
オダギリジョーがオシャレな変人の役をやっているときのような
頭の片側が横に広がっちゃってる風貌で
ふと気づくとはいているズボンは腰パンなことはもちろん
股上が膝のちょっと上くらいの低さでしかもその丈はふくらはぎまでで
そのすそとじゃらじゃらしたブーツの間は動物柄のスバッツだったが
「私服初心者が着まわせるような程度のおしゃれ服」というリクエスト通りに
いろいろ選んでくれてさすがプロの仕事だ。
ヘンな格好で、ヘンなしゃべり方だが、とても優れた人だ。
息子もお母さんに言われて試着するときの不機嫌さがなくて
この人の言うことを聞きながら前向きに選んでいるし。
まとめ買いなのでやはり出費してしまったが
向こうしばらくこれを着回していれば息子もオシャレ3級くらいに見える。