また酔って何か言った

若くて美人さんの留学生の大学院生とか知人たちと飲んだ。
ジャージにサンダル履きのおじさんたちが大声でプロ野球とか
パチンコとかの話をしながらホッピー飲んでるような店なんだけど、
その美人留学生は「こういう店に初めて入りました。村上春樹の小説のようです」と言うのよ。きちんとした日本語で。
えー、ムラカミハルキっていうのはジャケットを着てギムレットを飲みながら
ジャズを聴くような店に居て、決してモツ煮つつきながらゲラゲラ笑っている客たちがいる店には近寄らないんじゃないか、と私は反論した。
しかし「雑踏や喧騒の中でも、しっかりと自分の孤独を守って個人であり続けるという日本人の心を、私は村上春樹の小説で学びました。この店はまさにそのイメージです」と彼女は断固として言う。
うーん。なんだかよくわからない。博士になる美人留学生の主張がわからない私。
しょうがないので、家に帰ってから私は娘にその話をして
ついでに「尊敬する人は坂本竜馬ですっ、とか自己紹介で言っちゃう人たちを縦に並べてデコピンしてやる方法って何かないんだろうか」とかからんでから寝た。