まほろ駅前多田便利軒

原作では、町田とは言っていないけれど、もうそれはそれは
町田の各所が実に具体的に想起された「まほろ」。
そしてこれが映画化で素晴らしく明瞭に町田での撮影。
しばらく以前から町田駅周辺ではこの映画のポスターが
商店街の街路灯とかもうあちこちにいっぱい張られている。
瑛太松田龍平が町田の街中でフラっと立っているポスターが
いっぱい見れてなんかお得な気持ちになる。


町田在住の友達と見てきた。
芹が谷公園の噴水彫刻のところで瑛太が話しているところとか
JRの線路のほうの飲み屋街でマツオスズキがヒーヒー脅されていたり
便利屋の事務所がある設定のビルがとてもわかりやすかったり
松田龍平瑛太がバスターミナルの方とか探して走るとか
私には場所がすごくわかりやすいのでついうれしくなってしまって、
なんか文明に普段接していない子が映画を見たときにするような
「うわー、オラの町がスクリーンに映っとる!すげ〜!」みたいな
素朴な反応をしてしまう。


内容のほうは、傷ついた心で髪がもじゃもじゃしていて秘密めいていて
服がよれよれしていて、気だるいたたずまいだと
益々あらステキ、って感じの2人。瑛太松田龍平が町田でぽつりぽつりと
人とやり取りしながら生きている。
低い調子で、タバコ吸ったり「ああ」とか「ふうん」とかのやりとりを
していてもいいわね色気があるって。
途中に、赤子を背負った弁当屋なのに見るとときめいてしまう大森南朋
ちょっと登場してお得感がある。


しかし町田駅の近くには「まちえい」が閉館してから、
実は映画館がひとつもない。
こんなに町田の映画なのに、電車でよそに行って見るしかないのが悲しい。

まほろ駅前多田便利軒