女のいない死の楽園

女のいない死の楽園―供犠の身体・三島由紀夫

女のいない死の楽園―供犠の身体・三島由紀夫

こらこら、読む順番が違うでしょう私って。
この本でメインに論じられている「仮面の告白」は先日読んだところ
ですが、「禁色」も「憂国」も未読なのよ。
さらに言えば「豊饒の海」でさえ未読だ。だって長そうなんだもん。
じゃ一体、三島由紀夫の何なら読んでるんだって、前記を除く著作の
ごく一部分のみです。えーと、初期短編集とか、「午後の曳航」とか。
あ、後「金閣寺」とかか。愛読したのは「三島由紀夫レター教室」。
はええと、、なんか、ダメ読者だな。
そんなダメ読者な私が、この三島由紀夫論を読むというのもなんですがね。
この評論は大変興味深く面白く読みました。
祖母の病室の人質として育ったこと。30歳を超えて筋肉の鎧を作った意義。

     「人間ならぬ何か奇妙に悲しい生物」であった「私」は
     筋肉という通行証で、人間社会の「人交はり」を許された。
     しかしこの人間世界の越境証には期限があった。
     それが昭和四十五年だったのだろう。(この本より)

なんか自分のこととか、いろいろ考えながら飽きずに読みました。