アカルイミライ

アカルイミライ 通常版 [DVD]
例によってレンタルビデオで見た。これはね、クラゲ映画の中のクラゲ映画。
2つ以上の意味でクラゲ映画界の覇者ではないかと思う。
美しくて不思議に光り、夢のようにやわらかく動き、猛毒を持つアカクラゲ
主人公はそれを飼っている。クラゲは私も水族館で一番好きで見惚れる。

オダギリジョーの雄二も、浅野忠信の守もクラゲのようだよ。
美しくて不思議に光って、骨格が無くて、何をしたがっているのか分からない。
生きている。見惚れてしまう。
工場の上司55歳のように無神経につかもうとしたら、猛毒だから殺されてしまう。 
映画の後半では願っていると、不思議な空間の水中ででひっそり光るクラゲ、
川で大量に増えて流れるクラゲに会える。
そして守の父は切なさに我慢できず触れて刺されて倒れる。
街中の白いシャツの男子高校生集団もクラゲの群れだ。頭に発光体を着け仲間だけで交信。
守の父が雄二に怒った後で追いかけようと探すところとか、
守の父の場面で数回泣いた。きれいじゃなくたって、親父の心にも
暗い河で大量発生して光って流れ去るクラゲの群れが、あったりなかったりする。
この映画は全体に、温度も速度も方向もクラゲ。心に残る。