バタイユって凄いな

眼球譚(初稿) (河出文庫)

眼球譚(初稿) (河出文庫)

もう大変だこれは。怒涛のエロス。腰が抜けるほど強烈にエロい。
少なくとも、私が今までに読んだもの見たもの聞いたものの中で、
ぶっちぎり最大級のエロス。文章だけでここまでエロスが描けるものなんだ。
バタイユって今まで名前しか知らなくて、もういいやべつに中年から
ややこしい哲学もの読み始めなくても、とか思って避けていたら。
全く想定の範囲外の内容。
ミルク、肉体、尿、泥、死、玉子、牡牛、眼球、眼球・・・。
薄めの文庫本で、読みやすい文体。そしてこの猛烈な内容。
18禁のAVなんかが、レンタル屋の奥のほうで区切られているのに、
そんなもんじゃない激烈エロスなこの本が、本屋で文学の棚に行儀よく
置かれているのってスリリングだ。
これ、もしも若いときに読んでいたら、すっかり脳みそ揺すぶられて
どんな人に育っていたんだろう。
最大級のエロスは人間の命と同様に魅力的だ。
そのうちまた何かこの人の本は読もうと思う。