お姑様ご無事

夫が実家のお姑様に電話したら、
「そういえば、座椅子から出ているコードからさっき火花が出たのよ。」
と、謎の発言を聞く。
愛用の回転式座椅子は、電動の装置は何もないので、
電機コードなんか付いているはずもない。とりあえず夫は、
その火を噴いたコードをたどってプラグをすぐにコンセントから抜くようにと、
お姑様に指示してから家族で実家に向かう。
笑顔であいさつなど交わして、「どこから火花が出たんですか?」と尋ねると、
「ああ、そうそう、これなのよ。」って、のん気にお姑様が手にした電機コードは、
プラグから1メートルほどの長さで、数センチ銅線がむき出しになった先が無い。
そして部屋には、コードを途中で切断された扇風機。畳にほんの少しコゲ跡。
どうやら扇風機のコードが、座椅子の金属製の回転盤の下に敷きこまれたまま、
日々その圧迫と摩擦で傷められて、ついに完全断裂に至ったらしい。
恐るべしエレクトリックファイヤーで惨事寸前。
お姑様だけは事態をあまり気にしていない。
火事にならなくてとりあえず良かった。