クローズアップ現代

先日のNHKの「クローズアップ現代」の、愛国心教育の特集は
本当に嫌な感じの授業のようすを伝えていた。
都内の公立小学校で、他の学校の先生達が大勢で見学している中での授業だったから、
よく考えて準備もしていたんだろうけれども。


「常夏の国から来た留学生が、ニッポンは四季があって素晴らしいとほめた。
 それをきいた日本人の子が、そうだ日本の四季は美しいと思った。」
というような話をして、美しい富士山の四季の写真を生徒達に見せる。
それについて子ども達に意見を求めると
「はい。日本は四季があって素晴らしい」とかの答えが続く。
そこで1人の生徒から大変しっかりした意見がでた。
「でもその留学生の国、常夏の国もきっと美しい」。
だらっとテレビを見ていた私は結構感動した。子どもが論理的思考を使って
こんなにきちんと、人の発言をよくきいて落ち着いて自分で考えて発言している。
しかし、それに対して先生は「四季がない常夏の国は一年中同じ花が咲いているのよ。
でも日本の四季は美しいでしょう。」と、その子の意見を強引に否定するようだった。


いや、日本の四季を愛するのは良いけれど、
常夏の国は一年中同じ花しか咲かないからダメって、それじゃ
どっちが大人の意見かわからないよ。
東京で真冬の北風に吹かれ鼻水たらしながら
「ハワイなんてうらやましくないよ。」と言ってしまう気持ちみたい。
それに愛国心の教育なのに、こういう理屈の展開では
「新潟の豪雪地帯のように雪がつもらないのは、日本としての四季の変化が不十分」
「雪なんかより、冬には冬の花が咲く南房総とかが美しい日本だ」
「沖縄の四季は、ハワイの四季より美しいはず。」
「一年中同じ花は咲かないから、湘南海岸はワイキキビーチより美しい」
とか、意味不明な論争にならないか。