サド侯爵の生涯

サド侯爵の生涯 (中公文庫)

サド侯爵の生涯 (中公文庫)

思った以上に面白く読めました。
サドマゾなんて言葉ばかりが浸透してしまっているけれど、
サド侯爵の数奇な生涯をしっかり紹介されているこの本を読むと、
サド侯爵の味方をしたい気持ちになる。
感想等を箇条書き
・多少の変態なんて許してやれよ、社会は。
・なんでこのくらいの変態をそこまで社会的に迫害するかね。
・昔のフランスの牢獄は下男付きで、犬も飼えたり、料理人に自分の食べたいものを
作ってもらって、牢獄内で人にご馳走できた(金のある貴族は)。
・精神病院に強制的に入院させられていても、特別待遇の場合は結構良い生活。
・権力を使おうとする家族は、こんなちゃんとした大人を長期に牢獄から出さないようにすることができた。
・せっかく書いた長編小説の原稿が大量に散逸したり焼かれたりしていて残念だ。
・悪魔の所業の大変態として長期に収監されて危うく死刑になりかけたり、
フランス革命政府での役人として政治的にせっせと働いたり、失脚したり、激動。