ケチ伝説

故お姑様は節約家だった。
まず、出かけた先で飲み物を買ったことがないのが自慢だった。
水を入れたワンカップ日本酒の空き瓶をバッグに入れていて持ち歩いた。
私と一緒に出かけても
「探せば水道はあちこちにあるのに、
缶やペットボトルの飲料を買うなんて考えられない」といつも言っていた。
他にも、歯医者で大学病院への紹介状を書いてもらったが
それを受け取るときに文書料を請求され
「お金を取られるくらいならそんなものいらない!」と騒いで帰ってきたり、
事情で銀行で大金を送金するときに、振り込み手数料が数百円かかることに激怒。
それなら自分でバスと電車で届けに行く!と騒いで銀行員の皆様を慌てさせたり。


でも、そうやってケチケチ貯めていてくれたから、お葬式の費用もちゃんとあった。
ちょっとむちゃくちゃだけれど、えらい。