大江健三郎

臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ

臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ

病父の面会に行きつつ読む。
ここ数年の大江作品ってなんかこういう流れなんだろうか。
取り替え子 (講談社文庫)とか憂い顔の童子とかでも
思ったんだけれども、どきどきしながら集中して勢い良く読むんだけれども
そしてこの話はどうなるんだと期待が高まっていくと
ラストがどうも釈然としないというか。
途中までのこの期待感はどこに持って行けばよいんだろうか。


国立東京近代美術館で見た「上川原の陽」という絵があって
それがこの小説の中の村の女たちが
芝居小屋での口説きに皆で体を揺すって嘆きに嘆いた風景みたいと思った。