ヘンリー・ダーガー

非現実の王国で」を渋谷で見た。
良いね。孤独と妄想の生涯の異端の画家ヘンリー・ダーガーにちょっと興味のある人は
是非これは見ると良いとおもう。誰に見せるためでもなく作品を作り続けた人。
美術の専門家などは登場せず、彼の生前を知るほんの数名のインタビューと、
彼の膨大な作品世界の一端の紹介。作品世界は絵だけでなく長い長い物語。
大勢の少女奴隷たちや虐殺。7人の少女たちと大人の軍との戦い。怪物たち。
この世界最強のひきこもり系画家の部屋は死後も大家さんによって保存されていた。
これはすごい。人が作った本や映像を見て喜んじゃっているうちは
まだまだ本物のオタクとは言えないというか、おのれの作った世界の強度を保ち続ける
ためには、人の作品を愛でるどころではなくて、自分の世界を構築補強するための
素材の収集が重要だということ。近所のゴミ箱をあさってまで集め続けた
大量の新聞や雑誌や広告の切り抜き。その多くは少女の写真。

この映画ではヘンリー・ダーガーの絵が控えめな動きの
アニメーションになっていて、それがまたとても良いとおもう。
私はまだ彼の絵を本物は見たことがない。3メートルくらいあるそうだ。
見たいなあ。