「反貧困」は読んでおくべきだな

「財源が無いからしょうがない」とか「甘えるな努力しろ」とか
ホームレスなんか怠け者だからああなったとか思っている人も
これはとりあえず皆、読むといいんじゃないかと思った。
順序だててわかりやすく書かれている。
以下、この本の内容紹介。


生活保護は不正受給者のことがよく話題になるけれど、
日本で生活保護基準以下で暮らす人のうち、実際に受給できているのは
15〜20%にすぎない。
親世代の貧困は子が充分な教育を受けられない大きな要因となり、
不安定な雇用は失業保険が受けられないことが多く、
家族にも福祉にも頼れない場合、その貧困を本人自身が「自分のせい」と
内面化し、自分自身の排除に至る現状。
寮つきの仕事現場に派遣され、中間搾取された賃金から寮費が引かれ
更に無収入の待機日があり、健康保険に払う金も残らない。
生活保護受給者の方が多くもらいすぎている」という発想は
下方への標準化にしか帰結しない。
貧困があってはならないのは「かわいそうだから」ではない。
貧困が大量に生み出される社会は「弱い」
人間を再生産できない社会に「持続可能性」はない。

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

この著者の活動しているNPO「もやい」
非常に有意義な活動をしていることがこの本からも読み取れるが
そこのスタッフとして働くのは本当にキツそうだ。経済的にも労働量でも内容でも。
こういうNPOを人たちを大事にするとか、NPOまかせにしないとか
早くなんとかしないとと思う。