貧困大国アメリカ
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/01/22
- メディア: 新書
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内容はマイケル・ムーアの映画「華氏911」や「シッコ」と
重なるところも多いんだけれども。
日本の路線が更にアメリカ式にこうなったらえらいことだが
それが新自由主義の流れってやつなのか。怖いよ。
・貧困層は学校給食やフードスタンプの補助を得てジャンクフードを食べて
生活している。裕福な家庭の子は低カロリーな手作り食。貧困者の肥満。
・学校給食に大手食品会社が関係する。生徒皆にコーラが支給されている。
・全国一斉学力テストで成績が良い学校にはボーナス。
成績悪い学校の教師は免職。助成金カット。廃校もある。
そこに軍のリクルーターが来る。
・貧困地帯の防災予算を削減したのが、ハリケーンの大規模水害になった。
・水害で国内難民多数。2年たって電気も復旧していないが帰れと補助金打ち切り。
・移民の子は市民権を得るためには軍隊に入るくらいしか選択肢がない。
・奨学金が欲しい子も軍隊に入るくらいしか選択肢がない。
・大卒でも就職できず奨学金の返済に追われれば軍隊に行くくらいしかない。
・中間層も盲腸の手術くらいのことで医療費の支払いが不能で破産する。
・軍隊に入っても自分が前線に送られないためには、嘘をついてでも
新人をたくさん入隊させる優秀なリクルーターになる。
・後方支援も戦闘をする傭兵も派遣社員としての自己責任。戦死にはカウントされない。
・世界各国の貧困層がアメリカ資本の安い派遣社員としてイラク戦争に従事している。
・この戦争の意義に賛成とか反対とかそういうことではなく、生きるために従軍以外の
選択肢がほとんどない。
・従軍すれば医療保障も奨学金もというのは宣伝とはかなり違う。
・帰還後はPTSDなどで更なる貧困に落ち、ホームレスになる者も多い。
戦争とか平和とかのイデオロギーの問題よりも
国家レベルでの貧困ビジネス。
国境を越える大資本の力の政治。外国の話というより世界の話。