鉄砲を捨てた日本人
- 作者: ノエルペリン,川勝平太
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/04/01
- メディア: 文庫
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種子島に鉄砲が伝来したのは1543年で、
その6年後には信長が種子島銃500丁を発注。
長篠の合戦で織田信長が三千の鉄砲隊を使ったのが1575年。
ここまでは昔私も義務教育で習ったと思うんだけど。
16世紀末の日本は鉄砲の所持の絶対数では
ヨーロッパのどの国よりも多かったという。
しかし日本の鉄砲の生産や使用はその後、緩慢に縮小されていった。
だが鉄砲の生産が衰退しても、鋳物工業の科学技術や鉱山での火薬技術は
発達を続けていたという。
一度発達してしまった強い武器の生産・使用をあえて衰退させながら
平和と科学技術力を保ったという世界的に稀有な日本の歴史。
もっと詳しい研究もきっとされているんだろうけれど、
この読みやすい本だけでもかなり興味深い。
今の世界を考えるときに日本の歴史のこの部分は重要なんじゃないか。
ちゃんとした人はもうとっくにそんなことは知っていたのか。