地獄のような天国
娘が所持していたティントレットの画集とか、
地元の美術館でギュスターブ・ドレの版画を見て思った。
たとえばティントレットのこれだ。
人物の周りにもくもくした雲のように密集する大勢の天使達。
天国というところが存在するとして、
その天国がこのようにラッシュアワーの小田急線のぼり急行以上に
大混雑のすし詰め状態だったとしたら
その天国はほとんど地獄と大差はないと言っても良いのではないか。
天使はギュウギュウと大勢いるほどめでたくて良いってもんなのか。
これでは夏フェスのカリスマミュージシャンのステージ前で
モッシュしている熱心な信奉者集団。(行ったことないから本当は知らないが)
しかしそう考えると、それがライブ会場でのファンの至福の時であるように、
信仰の祝祭空間としては正しい姿かもしれない。
この画集は過剰な熱意というか
とにかく過密に大人数が描き込まれすぎな宗教画が多くてすごい。