子どもの最貧国・日本

子どもの最貧国・日本 (光文社新書)

子どもの最貧国・日本 (光文社新書)

ビンボー家族でも仲良く元気にたくましく健やかに暖かく。って「昔はよかった」
とか言う人の描く常套風景だと思うんだけれども、
現代社会の子どもの貧困問題はそんな美しい精神論で済ましちゃいかん、という本。
貧困でも元気に伸び伸び育っている子だっていくらだっているのは誰でも知ってるが
統計でみると、児童虐待などの問題の多くが貧困と密接にかかわっている。
そして日本の子どもの貧困は各国の統計と比較すると独特のものがある。
日本では子どもがいる貧困家庭の親は98パーセントが就労している。
主要国の平均のそれは68パーセント。
日本は親が就労していてるひとり親家庭と、親が就労していないひとり親家庭
貧困率があまり変わらない。
子どものために親が働けば生活が楽になるというしくみに日本はなっていないという統計。
子どもの貧困を解決の金を惜しむと、社会的損失がそれ以上に大きくなるという話。


理屈になんか極端じゃないのかと思うところもあるんだけれど、
子どもの問題と貧困問題の研究が進むのは大事だなと思った。