釘踏み娘

私がどたばたと出勤しようとしていたら、娘が足底からダラダラと
流血しながら部屋から出てきた。
床にボタボタと血をこぼしながら「自業自得だよ」とか小声で言いつつ
こそこそバンソウコウを使おうとする。
自分の部屋で、落ちていた釘を踏んだという。キャンパス用のだ。
うんうん。それはいつあってもおかしくない事故だ。
っていうか、今までこれほど散らかし三昧の限りを尽くしていて
よく今日のこの程度のケガで済んでいるもんだ。
衣服も本も画材ももう本当に混沌のてんこ盛りで酷いから。
反省して片付けるといいな。危険がなくなる程度にまでは。


大学の合格の書類は郵便局にあった。
お金を振り込んで手続き。
私立の美大に払う親になってしまったよ。
「大学行って油絵とか描いて、その先どうなるんでしょうね」と
娘の担任は親達によくきかれているようで、そうすると
「油絵だけずっと描いてそれだけで暮らすっていうのはもちろん非常に難しいし、
でもね、何もできないっていうよりは、絵くらい描けたほうが良いんです。」と
答えている。とりあえず娘は描いた後はもう少し真面目に片付けて欲しいが。