苦難の助手、鶯谷にて至福

おほほ。御免なさい来週すべてなんとかしますから、と言い置いてあわてて職場を出て
平沢進ライブ「PHONON2551」鶯谷東京キネマ倶楽部1日目に行った。


会場はダンスホールのあるビルの上階で元キャバレーという
ライブハウスにしてはちょっと不思議な部屋。
チケット即完売だったのでもっと客は詰め込まれるかと覚悟していたが
思ったよりは余裕のある混みかただった。
そして狭めなだけに、後方からでもステージがよく見えてうれしい。


もうね、平沢さんってば、客席の灯りが暗くなってステージにあらわれたら
ただちにバシっと歌い始める。しかもあれだよ、「インヤ〜!行こうすれ違おう
愛はいかがと」(そんな曲名じゃないけど)だよ。もうさ、後光がさしてるんだよ。
あれはステージの照明だろうって説は当然あるだろうけどね、
私はヒラサワさんがああやって歌っているのだから、そのくらいは発光してると思ってる。


で、その次が「ロケット」だよ。うんうん。またこれが生歌で聴けるとはねえ。
あれさ、あらためて聴くと「超えろよヘイホー孤空へロケット」って、明るいのに
なんか泣けちゃうよ。なんていうか「祈り」的な生きていく感じね。


こうして1曲1曲ねちねち書いているわけにもいかないんだけど
久しぶりの古めの曲が非常にうれしかったり、新しい曲もあらためて
こんな良い曲だったのかとかまた思ったりで、
あ、新曲も2曲やった。そのうちの1曲がなんか古い歌謡曲的なメロディーも
あって世俗的な感じがこの会場に合っているのがいいなあと思った。


そして「庭師キング」が神々しく歌われた後には
会場の皆の気持ちが高まるマシントラブル。
マシントラブルって、なんか会場にいる皆の個々のヒラサワ愛を盛り上げるよね。

マイクから聞こえた平沢さんの小声の「あれぇっ?」。ラブリーだ。


そのマシントラブルが解決して登場した新兵器は凄い。
イナズマ放電バリバリマシーン。超クール。

↑この写真はニコラテスラの放電実験ですが、
私は平沢さんを通してニコラ・テスラが降臨したかと思った。
曲が私の大好きな「夢見る機械」で、ああ、本当にこの歌にこのマシーン!
「続出するバグは助手のトラウマが原因である」「激励こそ最良のメンテナンスである」
「苦難の助手よ私に続きたまえ」「囚われの娘よ私を呼びたまえ」
くううう、こんな良いものが現実に今ライブでやってて、私がそこにいる。

あれはただのステージ美術として光っているのではなくて
放電の音で音階を奏でるミュージカルテスラコイルとかいう楽器らしい。