島袋道浩展:美術の星の人へ

ワタリウム美術館で見てきた。私この人の作品は初めて見たけれど
好きだな。すごく好きだ。
娘が先月行ってきて、それ以来「お母さん。シマブクはね、良いよ。」
と度々言っていたので。そうじゃなかったら、このチラシの作品写真みただけじゃ
こんなに良いものだってこと気付かなかったよ。



これは海中を漂う1個のじゃがいもの映像からの写真。
「フィッシュアンドチップス」という。
海中をじゃがいもが浮かぶでもなく沈むでもなく、うまいことその中間ぐらいの
ポジションで泳いでいるかのように漂っていると、魚たちに出会う短い映像。
静かな音楽もまた良くて、魚にちょっとつつかれたり、ただすれ違ったり。
それのどこがそんなに良いのかって説明しにくいんだけれど。
あれだ、こころが良い感じにほぐれるっていうか。


「わけのわからないものをどうやってひきうけるか」
「やるつもりのなかったことをやってみる」
そんなタイトルで、外国人が全然知らない日本語の演歌を歌う映像を見たり、
ダンボール箱が語るのをきいたり、
美術館内でまさかのゴルフ体験をしてみたり、
狭い外階段で、この星に象が居る事を考えながらお花のお茶を飲んだり、
ホームレスのおじさんからそのパンフレットを買ったり
遠くまでゆるくつながっていける感じの心地よさをじっくり体感する展示だった。


「こんなんで金取るんかい、入場料1000円返して欲しい」と機嫌良いながらも
私と真逆の感想を述べる夫と一緒に、帰りにこじゃれた居酒屋でモツ鍋を食べながら
「わけのわからないものをどうやってひきうけるか」
「やるつもりのなかったことをやってみる」
このテーマがずっと死ぬまで毎日続いていくのが日々の自分の生活で
それを見える形に現代美術に表現しているのがシマブクさんで、
だから私はこの作品たちがすごく好きなんだなとか考えて
でもそんなことにすでに躊躇しないで元気で生きている夫はなかなか
安心感があってそれはそれでとても良いとか、
ようは満足感のある作品展を見て気分よく一緒に美味しく食事して良い新年。



象のいる星。ここで電話で注文すると花のお茶を持ってきてくれる。