[美術]シマブクさん

最近の私の傾向としては、正月にワタリウム美術館で作品を見て以来、
なんか気がつくと島袋道浩さんの作品についてぼんやりと
考えていることがちょくちょくある。
娘が美術手帳の最新号にシマブクさんのインタビューが
載っているのを見せてくれた。

キャベツとかタマネギとかの7個の野菜をベニヤ板の上に
北斗七星の形にただ並べた作品があって、
その話とかがとても良い感じだ。
展示室にただ野菜が7個置いてあるんだけど
大切に育てられた野菜を星にしてあげて
ちゃんと星になったところをよく見て
それから食べて、つまり自分の体内に星であり野菜であるものが入り
そうやって生きていくというような。

お仏壇にあげてから食べるという発想と近いかも。
でも自分ところの亡くなった家族とか先祖限定じゃなくて
北斗七星っていうのが美しいよねと思う。


で、美術手帳のインタビューでシマブクさんは自分の作品について
「1000人に1人でもそれを必要としているなら
 それは存在していなくてはいけない。福祉と似ている。」
というような話をしていた。激しく同意だ。


こういう作品を全然必要としていない人のほうが圧倒的に多いようなのは
わかっているけれど、ある種の人にとってはとても意義深く、
それは島袋道浩だからっていうわけではなくて、世の中の多くの
いわゆる「少数の方にとっては非常に大切」なものも該当するんだろうけれど
「福祉と似ている」とは、上手な説明だと感心したのでした。

美術手帖 2009年 03月号 [雑誌]

美術手帖 2009年 03月号 [雑誌]