ときめきラブストーリー

娘の所持していたファッション雑誌の
ピチピチのおしゃれモデルさんたちの恋話にインスパイアされましたので
私もここでひとつ
ステキなラブストーリーを考えてみました。
この筋書きにそって登場人物の写真をコマ割の中に切り張りして
写真漫画にすれば完成です。



場面1
 仰向けにのけぞるような姿勢で乗る変な自転車で走り去る平沢進
 取り残されて涙ぐむM子。
 「タイに行く事はできてもPS-2にはなれない。
  この恋はあきらめるしかないのね。」

場面2
  路上でまだ涙ぐんでいるM子をそっと見守っている影。
  それは風呂上りの玉木宏だった。
  銭湯帰りに彼はよくM子のことを見かけて好意を寄せていた。

場面3
  思い切ってM子に声をかける玉木宏
  しかし何を言ってよいかわからず
  「M子さん。その涙の粒がきれいに反射していて
   名和晃平のガラス玉の鹿みたいでキレイです。」

場面4
  玉木の好意にはあまり気付かないまま御礼を言うM子。
  そうだわ。気分を変えてガラス玉の鹿その他を見に
  上野の森美術館ネオテニー・ジャパンを見に出かけてみるわ。

場面5
  上野の森美術館内で池田学の気が遠くなるような細密描写を見つめるM子。
  近くでやはりその作品に見入っていたメガネ紳士に
  「すばらしい作品ですね」と魅惑の低音で話しかけられた。
 M子の脳裏にある歌詞が運命的に響く。
  「日曜美術館で会った人だろ。そうさアンタ間違いないさ〜♪」

そしてM子のお気に入りの、なごみ系作品の本物そっくりの
  小さな木彫りの雑草について
  「須田悦弘さんの、雑草は見つけられまして?」と問うてみた。
  「ふふふ。なかなか見つけるのに時間がかかりましたよ。
   あんなところに隠すように展示されていたとは楽しいですね。」
  姜尚中が私に微笑みかけているわ。

場面6
  「このあと一緒にお茶でもいかがですか」と姜尚中にさそわれ
  ヒラサワのことなどすっかり忘れてついていこうとするM子。
   そこに現れたのはコレクター高橋龍太郎
  「そいつについていって話をきくよりも、俺の家に来れば
   日本の現代美術おいしいところすべて見放題だぜベイベー。はっはっは」
  なんてゴージャスな二者択一問題かしら
  幸せな悩みでクラクラするM子。

場面7
  未曾有の状況で一気に幸せ疲れするM子の前に
  上野の森の木陰の闇から躍り出る黒い影。
  亡き土方巽がシャープな肉体の暗黒舞踏でM子を誘う。
  ふらふらと吸い寄せられるように近づくM子。

場面8
  「危ない!お嬢さん!冥府に攫われます!
   魍魎退散!」
  堂々とした体躯で護符と呪文で霊を払って守ってくれたのは荒俣宏
   「よかった。あなたはまだあちらの世界に旅立つのは早すぎる」
   油ののった明るい笑顔をM子に向ける荒俣宏

場面9
   「ありがとう宏さん。
    あ、そういえば、宏さんてもう1人・・・
    風呂上りの玉木宏さんに今朝は元気付けられたんだったわ。
    そうだ。彼にお礼しなきゃ。うふふふ」
    新たな恋の予感である。