「驚異の部屋へようこそ!展」

町田市立国際版画美術館で
「版画がつくる 驚異の部屋へようこそ!展」が始まった。
これは楽しいから近くの人は来るといいと思うよ。地味だけど。


16世紀の解剖図は、やっぱり背景がきっちり描かれて人体はポーズをとっている。
そしてダゴティの解剖図が並んでいるのが見れるよ。
暗くて鮮やかな色彩のちょっとなまめかしい解剖図。
で、見ていて「絶対にこの臓器の配置が違うよ〜」って思うんだけど
じゃあ、ここできっちり正解を語ってみろよと言われても困るし、
なんか気になるので
あの作品の近くに参考資料として、現代の解剖図を一緒に並べて欲しいです。


「フローラの神殿」の植物図譜が美しい。
きっちり堂々と描かれた鮮やかな色彩の花。
現代の図鑑と違って、背景も描かれていてそれが妖しい異世界の風情。


クロード・メランの「ヴェロニカの聖顔布」って初めて見たけど
これにはびっくり。
キリストの顔が描いてあるんだけれども、
画面の中心から1本の線がスタートして狭い幅でぐるぐるぐるぐると渦巻きに伸びて
画面いっぱいがその1つの渦巻き線で埋められている。
つまりこの渦巻きが陰翳を作りキリストの顔になっている。
じっくり見ないと、渦巻き技法には気づかないまま
普通に顔が描いてあると思って通り過ぎちゃうよ。


ガラスケースの中にはキルヒャーの「シナ図説」が展示されている。
残念な事に、開いているページしか見ることができない。
こんな厚くて立派な古書籍に他にはキルヒャーはどんな図版を描いたのか。
それにはどんな解説がついているのか。
非常に気になるので、
「今広げているページ以外にはこんなのが描かれています」って
図のコピーとその解説を、是非なんらかの方法で合わせて展示して欲しい。


気に入ったので会期中また行こうっと。