ドリアン風味を体験

友人と地元のカンボジア料理の店で2人ランチ。
まったりした良い感じの店。

店内はカンボジア関連のものがいろいろ。
アンコールワットの写真集も見れる。

ポルポト時代からその傷の残る現在の様子の写真集もある。
その国の凄惨な過去はまだそれほど古くはない。
美味しい食べものがたくさんあって
緑と水と太陽と湿気の多いのんびりした国の雰囲気が伝わる店で
カンボジア人のおばちゃんは穏やかに微笑む。

店員さんを呼ぶベルはこれ。


ランチセット。デザートのココナツミルクのレモン味のゼリー付き。


料理は辛さ控えめで美味しい。春巻きが小さくてパリパリ。
豚角煮が味が濃くてご飯にもビールにも良し。


しかし、何かもう1つくらい追加で頼んでみようではないかと
メニューを検討した。
「ドリアンアイスクリーム」を発見。
ドリアンである。
小学校だか中学校だかで習ったことがある。
奇怪な形の大きめの南国の果物。その果実は酷い臭いがするが
味は非常に良いもので「果物の王様」と呼ばれると。
ドリアン本体を受け止める心の準備はできずとも
アイスクリームという形に加工されているのなら
それは恐ろしげな噂の臭いは緩和され、
果実の美味しさが生かされているのではないかと期待するのが人情であろう。


そしてドリアンアイスクリームは
普通の白いアイスクリームの外見で運ばれてきた。
当然食べてみた。
スプーンですくって口に入れた瞬間に
自分の口腔内から鼻腔に抜ける香り。
谷崎潤一郎風に言うならば
一種甘い思い出が伴う昔嗅ぎなれた匂い
神経を沈静させる効用があるのではないかと思われる
瞑想的な都雅な匂い。
下世話な表現で言うならば
ちょっと果肉の入ったバニラアイスを
汲み取りトイレの至近距離で食べている感じ。



なかなか驚いたので感心しながら完食しました。

プチ衝撃がさめやらぬまま、お会計を済ませるとき
カンボジア人のおばちゃんが笑顔でアメを手渡してくれた。
自分の口腔内に残るこのニオイを早急に解決すべく
店を出てすぐにそのアメを私は食べたところ
そこでまさかの第2のプチ衝撃。「うわっ」と声をあげた。
おばちゃんがくれたアメはドリアンキャンディーだった。
友人もすぐに気付いたとおり、私の口からは
再度、例のニオイ。
私はドリアン好きの日本人客として認識されてしまったらしい。