被災地出張の続き

私が行ったところは、病院も薬局も営業再開しているところが増えて来て
各医療チームも徐々に縮小傾向で、私の仕事もわりとゆっくりペースだった。


ちょうど避難所に東京から楽団が慰問に来たので
昨日体調不良で血圧測定などしたおばあさんと
一緒にちょっと見物する余裕もあった。
「音楽で被災者を元気づけたい」っていうのは
「もともとファンでした。そのヒット曲が大好きです」って
言われる有名芸能人とかでないと難しいんではないか、
特に高齢者には、と思っていたが
すみません、都内在住の私も全く知らないフォルクローレグループでしたが
一部被災者はとても喜んでいました。本当に元気づいていました。
昨日体調不良だったそのおばあさんは、
近所で仲良しだった友だちと一緒に避難所にいたけれど、
友達は町内でも行ったことがない遠くにできた仮設住宅に割り振られてしまい
自動車も運転できないので
もうこれからは今までのように会うことはできないと
名残惜しんでいたときだった。
おばあさんと更に年上のそのお友達はフォルクローレグループが演奏した
「ふるさと」に合わせて2人で手をつないで大きな大きなこえで歌った。
2人は高齢者の歌のサークルの仲間で、今までにたくさん練習して
発表会で表彰もされたという。津波でトロフィーも衣装も全て流されて
会の親しい仲間も数名が亡くなり、
でも秋には再び集まって歌う計画をたてているという。
「ふるさと」は、その会でよく歌った歌で、少し前までは途中で泣いてしまって
歌えなかったけれども今日は最後まで歌えた、互いにしばらく会えないけれど
がんばろうと互いに笑っていた。
知らないフォルクローレさん、あなたたちは立派な活動をしたことを私が証言できる。


あと、私が行ったところで目立って頑張っていたのがローソン。
釜石の商店街では倒壊を逃れた店も
1階はほとんどが壁や曲がったシャッターしか
残っていない状態だったが、その中でローソンは新しいガラスで
美しく照明を灯し商品をキラキラと並べていた。

そして沿岸地区の広い被災地域の入口にも営業中のローソン。
私はこんなに混雑したローソンを見たのは初めてだ。
被災者も、地元住民も、派遣職員もボランティアも皆ここを利用する。
それなのに商品はちゃんと豊かに揃っていて
麺の弁当とか、カラアゲとか、コンビニに求められるものは
こんな大変な場所でこんなに大勢の客なのに毎日しっかり置いてある。


そして津波にさらわれて焼け跡の更地のような光景が広がったなかにも
仮設のような建物で7月19日新規オープンのローソン。
砂漠のオアシスのようにローソンは頑張っていた。


津波被害はまだまだ復興までは大変な時間がかかりそうですが
釜石駅前の海山物土産市場では、三陸の美味しいウニとか
ワカメとかたくさん素晴らしいものがちゃんと買えます。
出張やボランティアの帰りには是非美味しい三陸の海の幸を買って帰るといいよ。
まだまだ漁の再開は不可能な漁港が多いけれど、三陸の中には一部ウニ漁を
再開した場所もあるので買えるということのようです。