アトミックサイト展

体調不良につき週末引きこもり状態が続いていたが、
友達の個展に行くという娘に同行。
相変わらず銀座1丁目の奥野ビルは異次元素敵空間すぎる。
3月の地震でよく崩れなかった。コンクリートのビル壁から木が生えている。
エレベーターは4人で満員で、しかも手動で2重の扉を開け閉めしないと動かない。
中は小さいギャラリーがたくさん入っていて、一番小さい展示室は
駅とかにある障がい者用トイレよりも狭いな。
穏やかな良い気分になれる古いビル。
娘の友達はそこに美しく調和した爽やかな油絵を穏やかに展示。

途中、娘の希望で資生堂ギャラリーに寄って写真展鑑賞。
「榮榮&映里 写真展 - 三生万物」若い日本人女性と中国人男性のカップルによる、愛に満ちた美しい写真。夫婦愛家族愛だけじゃなくて中国で写真美術館の建設にも尽力しておる。「なんかこういう大物の長髪同士のカップルっていたよね」と娘。まさしく写真界のジョンとヨーコ。



そしてずっと気になっていた東向島の現代美術製作所で開催中の
イルコモンズの「アトミックサイト展」まで足を伸ばす。
これは少々体力に無理してでも行って良かった。
今、何か現代美術を見るとしたらこれ以外にないだろうという感じだった。
会場で係の人が放射線測定器のこととか丁寧に解説してくれた。


震災と原発事故以来、どうも既存の作品は現在の気持ちと合わないようで
ヤノベケンジさんのアトムスーツにしたって、以前のような満足な気持ちで
自分は見れなくなっていた。しかしイルコモンズ「アトミック展」は充実。
現在進行中の現実世界の危機があり、それは工夫をしない限り見えにくい。
原発の電気を使って問題を先送りにしながら気楽に都会生活を暮らしてきた私、
何がどのくらい怖いんだかよくわからずモヤモヤした気持ちの私、
だがしかし、原発早期再稼働とかは無茶お言いでないよと思う私、
そんないくつもバラバラになって混在していた自分の気持ちが
なんか統合されて前に向きに悩んでもにょる元気が出る展示だ。