息子の蜜柑塚

息子は高校が冬休みになってから
特にアルバイトをするでもなく、演劇部は辞めちゃったし
毎日深夜まで起きているらしく、午前中はずっと寝ている。
パソコンに向かっているのか部屋にこもっている時間が多い。
私も無職になっているので自宅にいる時間が長いのに
冬休みになっても息子と顔を合わせている時間があまり増えない。
私が気づかない間に起きて静かに居間に来て
ひとりで少し食べて古いファイナルファンタジーをやってまた去って行き
次に会うのは夕飯時になる。

昼間に私が息子を見かけるときは、ほとんど居間でゲームをしながら
みかんを食べている姿に限定される。


息子がまだ部屋から出ていないのか、それとも一度は居間に来て去ったのか
野生動物だったら足跡やフンを観察するのだろうが
息子の場合は居間のコタツに蜜柑の皮を積み重ねて
「みかん塚」を形成しているか否かで判断するようになってしまった。


うちの家族は異常にみかんの消費量が多い。特に息子はみかん食べ過ぎ。
家族4人で年末年始は1週間で蜜柑を10キロ消費という記録を
2週連続でやってしまった。2週間で20キロのみかん。
息子は1度にどうも4〜5個を食べるらしい。
「あ、こたつに新しい蜜柑塚がある。息子は起きて来たんだ」とか言う。
うまく昼間に会えて「久しぶり、会えてうれしいよ」とか私が言うと
その言い方が面白いと思うのかどうか、笑いをこらえた顔をする。
そして時々iPadでおもしろ動画を見せてくれる。

もう冬休みが終わる。