当分は焼き鳥は食わん

今夜は町内会の夏祭りだった。当番制ということで、そんなところで気の赴くままに自己主張をして断ったら、ご町内の皆様から嫌われてしまうんだろう辛いなそれはあまりにもと繊細なガラス細工のような神経が発動して、今年は町内会の役員をしている。当然の召集の指令がおりた。
指示されたとおり従順に焼き鳥屋コーナーで働く。「焼き鳥を焼かなきゃならぬので」と職場は早退。同僚に「先月もそういうのなかった?」と尋ねられ、別ルートからの指令で他の祭り会場でカキ氷に従事したことを思い出す。交友関係が少ないわりにはだ。
さて、この焼き鳥。一口大に刻まれし鶏肉がすでに並んで竹串に刺され蒸された後に箱詰めされ冷凍され科学技術の進歩により凍ったまま中国より輸入されし物。1500本。
町内会長の闊達な指示を受けつつ、担当として選ばれし町内善男善女が、祭り会場となりし小さき野っ原にU字ブロック等で拵えた釜戸に炭火を起こし、タレをつける焦がさない等の注意を怠らず件の冷凍鶏肉を焼く。
眼球を強く刺激する煙を受け、タレがべとべとと付着するのも厭わず、鶏肉串を掴み、
火炎の上の網に並べ焼く。涙を拭いつつ次々と炙る鶏肉串。
途中差し入れられし缶入り発泡酒を飲みつつ普段会話した事なき方々と協調して労働。
これがRPGゲームであれば、何らかのアイテムまた何がしかの得点を手にしたかと思うが、よくわからないままに疲れました。
帰宅し即入浴しようと脱衣したところ不覚にも浴槽が空。
仕方なく全裸のままトイレに籠もり町田康氏のつるつるの壺 (講談社文庫)を読んだので、文体を少し真似てみました。