薬屋の思い出

まだ10代だった頃、その頃住んでいた学生寮の近くの
薬屋の店先が非常に納得いかなかった。
今は街にはチャラチャラしたドラッグストアがたくさんあるがそういうのではなく、
その薬屋は小さくてぼろくて、あやしげな白衣のおじさんがやっていて、
店頭には商品がぼてぼて積んであって、大きい紙に汚い字で
ゴテゴテと手書きのポップ。

その店の主力商品らしいものは、
    1.精力剤(すっぽんマムシとか、絶倫ドリンクとかいうやつ)
    2.妊娠検査薬  
    3.コンドーム

白衣のおじさんのでかい手書き文字の躍るその店頭で、
この主力3商品は、セット販売のように買われているように思った。
実際この商品を同時に買う人が多かったのかどうかは知らない。

  体力的に困難があっても努力と頑張りで結合をなしとげたい。(1を購入)
  でも妊娠は避けたいし。(3を購入)
  ていうか、もう避妊に失敗しているのかも、
  考えたら心配になったから調べてみよう。(2を購入)
っていう状況なんでしょうか、同時の場合は。
それって何なの?、大人って普通に生活していても実はそんな謎なの?
と、当時はそんなことをその店の前を通るたび悩んでいたのだが、
きっと今なら微笑ましく眺めることができそう。
人間よくわからない行動をとることもありますが、体だけはお大事にって。