サンタさんはいるのさ

この時期の会話の定番って
「サンタクロースの存在は何歳まで信じていた?」
「お宅のお子さん、まだサンタさんがいると思っている?」
ていうのがあるわけで、それは嫌な会話だと思う。

大人同士の会話なら
「サンタクロースは本当に存在するって、いつ頃から了解できたか?」
の方が良いと思う。


うちの娘が小学校の高学年のときは
「サンタさんなんて本当は存在しないんだ」とヤイヤイヤイヤイ言う娘に

「プレゼントを実際に用意する作業は親がやっているにしても、
子どもを喜ばせたい、誰かに喜んで欲しい、暖かい気持ちですごしたい、
という気持ちがその日に世界に満ちるのは何故か。
世界中の大人たちが、そんな面倒な手続きをとるのは何故か。
毎日死人が大勢出ている戦地だって、クリスマスには停戦をして
街を爆撃する兵士までもが、その日は
良いお父さんとかになろうとするのは何故か。
サンタクロースは本当に存在するのに
それがなかなか現れず、大人は必死でツリーを飾ったりして呼び寄せる。
抽象的な話はまだ難しいから、子ども達には
赤い服の白髭の老人がトナカイのそりで夜空を飛んで来てプレゼントを、とか
荒唐無稽な話をする。
サンタさんの心が自分の中にその日だけは降りるように祈る。
サンタクロースは本当にいるから、ちゃんと降りてきてくれる。
信じなくなったらもう消えてしまう。その人には降りない。」
何度も何度も何度も話したが、
「じゃあ、やっぱり本当はいないんでしょ。」なんて
実もフタもない会話の繰り返し。


ちなみにその4歳下の息子は、そんな話を小さいときから
聞いてしまっているので、また姉のそんな反応とは温度差がある。
大真面目に「サンタさんが来てくれるように」と
知っている数少ない漢字で「三田」(サンタと読む)と紙に大書きして、
その直後に紙が小さくて「三田三」(サンタさん)と敬称をつけられなかったことを
泣くほど悔やんでいたのがかわいかったなあ。