苦手科目

以前に職場で、各自の子どもの頃に何の教科が不得意だったかを、
同僚達と少し話したことがあった。

私の答えは
「体育。給食。休み時間」。
不得意科目が「休み時間」って何よ?と笑われたけれど、
学校が苦手な小中学生だったら、休み時間が不得意なのは普通だと思う。
校庭に出て元気に遊ぶことを強要されたり、
教室で同級生としゃべらないといけなかったり、なんか苦手だった。

小学校2年生の頃に「帰りの会」で
その日にクラスであった「良い事」を発表することになっていて、
1人の男の子が挙手をして
「今日の給食の時間にmidoridouさんが、しゃべりました。」と発言したら、
担任だったやさしくて熱心な若い女の先生が、メガネをずらして涙をぬぐいながら、
とても感激した様子で「みんなでmidoridouさんに拍手をしましょう!」と言い、
私はクラス全員の暖かい拍手に包まれた。
自分がそんなにしゃべっていなかったことにも、先生がそれについて悩んでいたことも、
そのときまで自分ではあまり気づいていなかった。
親切な先生がこれほど喜んでくれるなら、頑張ってしゃべろうと思ったが、
やっぱり不得意だった。