お姑様の思い出から

他の人のブログで、図書館に来るホームレスの悪臭が迷惑とか、
排除はどうよとか論議が盛んなんだけれども。
いろいろ論点はあるんだろうけれども、
失禁・異臭問題だけでもそれはとても難しい問題だよね。


義母は近所の福祉施設の中のライブラリーが好きでよく通っていた。
亡くなる数日前にも行って雑誌を借りてきていた。


お姑様はまだ元気だった時には
「バスに失禁老人が乗ってきていた。シートが汚れる。迷惑だ。
あんな人はバスなんか無理。」
「福祉センターの大浴場に失禁老人が入りに来る(介護施設ではないので
介助なしで入浴するので)皆の浴槽が汚れてしまう。
仲間の老人達と手をつないで通せんぼして『ダメ!あんたは入らないで!』って
阻止してやった」とか私に無邪気に語っていた。


お姑様はその後次第に失禁することが多くなり、
オムツを使うようにはなったが、その使い方に納得ができず
衣類を汚すことはやはり多く、「もったいない」の心で生きてきた人であり
ずっしり吸収したオムツを捨ててしまうのは嫌がるし、
本当にいろいろな方法を皆で考えたし、身内もそばにいてなんとかしようと
したんだけれども、「お宅のお姑さんの臭いが問題になっている」と
義兄夫婦は人から言わるし、お姑様は自分のやりたいようにするし、
お姑様は自分の嗅覚が本当に弱くなってしまったから
「臭いだなんて不当な言いがかりだ」と怒るし。
介護施設のデイサービスに通うようになっても、
失禁で濡れた衣類を交換するためのやりとりに職員は苦労した。


で、いろいろ難しい問題ではあるんだけれども
その人のことも、それ以外の人のこともそれなりに大切にしなきゃいけなくて、
それぞれの現場で苦労があるんだろうなってことを思った。