娘のバイト

娘はこれから本屋でアルバイトをすることになった。
受験が終わったので久しぶりのバイトであり、本屋は初めて。
履歴書を書いて店長と面接したという。


店長がそこで娘に語ってくれたのは
「君はこの履歴書に、ドストエフスキーを読んだり
いろいろな画集を見るのが好きと書いているけれど、
君がしなくてはいけない仕事は
客の求めに応じて笑顔で細木かず子の本を探したり
重いものを運ぶことなんだよ。
ちなみに、ウチの店は画集はわりと置いてあるけれど
あまり売れない。」


そうだね。
ほんの数年前まで真剣にポケモンのアニメを見ていた子が
自宅のコタツドストエフスキーを延々と読んでいるのは、
確かに大人っぽくなったということだけれども、
そして血液型判断や占いを真に受けている大人を苦手にしているんだけれど、
それを超えて、笑顔で細木でも江原でも血液型本でも
せっせと運んで、にっこり売るのが大人になるってことなんだよ。
とりあえずがんばれ。