先生が作ってくれた

娘の高校の先生。3年間ずっとこのクラスの担任だった。
いろいろ大変な事が多かったと思う。
先生はもうすぐ定年になる。
穏やかで、ちょっと疲れたかんじで、あたたかくて、猫背で静かに話す。
昼はよく彫刻室で1人静かにスパゲティーをゆでている。すぐに生徒が来て
それをたかる。ここの高校生は担任の先生のところで昼食をとるのが好きだ。
飼い猫がネズミとか捕った獲物を自慢げに飼い主にプレゼントするように、
生徒達は自分達のお気に入りの漫画やオモチャ、
自分達の作った工作物などを先生の机の上にいつももりもり置こうとする。
先生が疲れているときには「どうしたの、元気ないじゃん」と
生徒達はアメとか先生にあげようとする。
疲れの原因の多くはキミたちの次々繰り出す諸問題なんだろうけど。


先生はクラス全員に卒業の記念品をくれた。
先生が丁寧にしっかりひとつひとつロクロをひいて
ひとりひとりそれぞれの生徒の名前を美しく描いて焼いた陶器。
素朴でシンプルであたたかい感じの湯のみ。


うわああん。先生大好きだ〜。遅刻ばっかりしてごめんなさい〜。
と、なんだか生徒でもない私がそんなことを言って泣きたい気持ちになった。