チェーザレ・ボルジア

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

最近うちの夫が無我夢中で読み続けた大長編「ローマ人の物語」の著者による、
ルネサンス時代のイタリアの勇者チェーザレ歴史小説です。
歴史小説はどうも不得意であまり読んだことがない私ですが、
チェーザレ・ボルジアとか、その妹のルクレティアとかは興味あったわけです。
毒薬の手帖 (河出文庫 し 1-6 澁澤龍彦コレクション)ですとか澁澤さんの本で読んで
才気ある美青年の血に飢えた狼のような殺人衝動と
毒殺の快楽を知る貴婦人、みたいなイメージ。
しかしこの本はちゃんと落ち着いていました。
下世話な期待で読んじゃってすみませんって感じです。
マキャべリが君主論で書いたこの早世の英雄について
とてもきちんと書かれています。
これに比べて、短いエッセイで歴史上の人物に下世話な興味というか
暗黒心理のキラキラした魅力をかきたてるような澁澤さんって
やっぱり好き。