尾崎放哉句集
娘は「私は最近は毎日いつも尾崎が好きだ
オザキは良すぎて泣ける」と私に語る。
それは豊の方の尾崎のことではなくて
尾崎放哉のことだった。
あの「咳をしても一人」の尾崎放哉句集を毎日持ち歩いて
気に入った句が載っているらしいページの角に折り印をたくさんつけている。
「みつをみたいに、日めくり尾崎カレンダーとか売ってたらな〜
それをトイレの壁に吊るして、めくって今日の一句を読んだら
泣いちゃってトイレから出られなくなるんだよ〜」とかうれしそうに言っている。
そして私にしばし娘は尾崎放哉について語り
句集を貸してくれた。
いくつか抜粋
淋しいからだから爪がのび出す
ころりと横になる今日が終わって居る
口あけぬ蜆(しじみ)死んでゐる
墓地からもどつて来ても一人
よい処へ乞食が来た
風よ俺を呼んで居るな風よ
机の足が一本短い
なるほど。
これは良すぎて、日めくりカレンダーになっていたら
起床してめくったとたんまた横になってしまうわ。
- 作者: 池内紀
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/07/18
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (13件) を見る