尾崎放哉句集

娘は「私は最近は毎日いつも尾崎が好きだ
   オザキは良すぎて泣ける」と私に語る。
それは豊の方の尾崎のことではなくて
尾崎放哉のことだった。


あの「咳をしても一人」の尾崎放哉句集を毎日持ち歩いて
気に入った句が載っているらしいページの角に折り印をたくさんつけている。
「みつをみたいに、日めくり尾崎カレンダーとか売ってたらな〜
 それをトイレの壁に吊るして、めくって今日の一句を読んだら
 泣いちゃってトイレから出られなくなるんだよ〜」とかうれしそうに言っている。


そして私にしばし娘は尾崎放哉について語り
句集を貸してくれた。


いくつか抜粋

淋しいからだから爪がのび出す

ころりと横になる今日が終わって居る

口あけぬ蜆(しじみ)死んでゐる

墓地からもどつて来ても一人

よい処へ乞食が来た

風よ俺を呼んで居るな風よ

机の足が一本短い


なるほど。
これは良すぎて、日めくりカレンダーになっていたら
起床してめくったとたんまた横になってしまうわ。


尾崎放哉句集 (岩波文庫)

尾崎放哉句集 (岩波文庫)