I君と梅

おもしろく大仏見物と
自彊術体験を堪能しての帰り道は
娘の同級生のI君のお母さんと一緒。
I君はねえ、もう本当に2人と居ない独特の味わいとセンスのある
見ていて心がついうきうきしてしまうくらい本当に魅力的で
うちの娘の同じくらいスローモーに話す少年。
そしてI君の母も、決してただものではないのが見て取れる
堂々としたおもしろさだ。


以前に話したときにI君の母は
「小学生の頃に、放課後は自宅でいつも絵を描いているI君に
 友達と外で一緒に遊んだら、とか言ってしまった時に、
 『ボクは朝からずっと頑張って学校で友達とすごしてきて
 今やっと自分の本当にしたいことをしているのに
 どうしてお母さんまでそんなことを言うのか』と悲しげに問われ
 反省したと」と
語っていたので私はとても立派な親子だと思った。


今回の帰り道では、息子というものは何歳くらいまで路上に落ちている
何かを拾って帰ってくるものなのかという話。
うちの息子(中3)は、最近はあまり小石とか枝とか拾ってこなくなったけれど
錆びた大きいボルトとか、何か分からないちょっとした錆びた金属部品は
まだときどき拾ってくるので、きっとI君ならまだ続いているかもと思った。


I君の家はやっぱりすごい。
まず、お母さん自身が枝とか葉や実を拾って持ち帰るのは継続している。
ある酷い嵐の日の翌朝
近所の緑地には良い枝が落ちているに違いないと
お母さんからI君に声をかけて一緒に枝探しに行ったという。
そして美しく花がついたまま折れて落ちた梅の大枝を発見。
喜んで2人で担いで自宅に持ち帰り
その大きさで玄関のドアからすぐには入らず苦労した、と語る。
がんばって部屋に入れた枝をI君がデッサンしていたところ
受験していた大学から不合格の通知が来て
消沈してデッサンは中断されたという。


こんなに素晴らしいお母さんといるI君に
今期は合格通知が来ますように。